ジャンクPCを使って6万円でDeep Learning用PCを調達!

この記事のまとめ:
  • Deep Learning用PCをヤフオク、メルカリを駆使して6万円で調達した経験談。
背景:

以前から機械学習を勉強していると何度か記事で書いてきました。ついにDeep Learningに入ろうと思った次第ですが、やっぱりコンピューティングリソースが足りないのではないかと思って、Deep Learning用のマシンの調達を計画しました。ただし、予算があまりないので低予算でPCを組んでみたメモです。

ジャンクPCでDeep Learning (+マイニング)用マシンを作る!

「なんでジャンク?」「性能的に大丈夫?」っていうように思われる方もおられるかもしれませんが、結果的には全然大丈夫そうです。 目標は6万円でデスクトップPCを作りたいと思います。

目的は、Machine Learning (機械学習)の一種であるDeep Learning (深層学習)と、年がら年中Deep LearningをやっているわけではないのでGPUを使っていない時間は最近流行り(?)の仮想通貨のマイニングをしたいと思います。

そのために必要なものは"そこそこ性能の良いNVIDIA製のGPU"それだけです。

メインPCじゃだめなのか?

メインPCがMini ITXのマザーボードで、そのPCI Expressスロットが地デジ録画用にPT3で埋まっていてGPUが載せられないからだめなんです…。

ジャンクPCで性能的に大丈夫なのか?

何を以てジャンクとするか次第ではありますが、ヤフオクとか見ていると「BIOSの起動は確認しましたがOSを入れての動作は確認していませんのでジャンク扱いで」みたいなのがざらにあります。この時点で、CPU、メモリ、電源、マザボの基本的な動作に異常がないということなので私的にはOKです。あとは足りないものを足せばいいかなと言う感じです。

また、搭載しているCPUの世代によってかなり価格が変わります。 ただ、最近のCPUの性能って正直そんなに上がってないんですよね。特にコンシューマー向けは。内蔵GPUの性能が向上している分がほとんどで、あとはCPUの消費電力が多少下がっているくらいの印象です。 GPUを搭載するなら基本的には第3世代のIvy Bridge以降であれば消費電力に気をつければいいくらいです。

Ivy BridgeからPCI Express 3.0に対応しているので最新のGPUを搭載させるならここだけは抑えておく必要があります。

なんでGPUか?

Deep Learningの学習を行うためには非常に高い演算能力が必要です。それを補うために処理をCPUからGPUにワークロードをオフロードすることで高速化ができます、というかそれなりの学習をしようと思うとGPUがないと学習が終わりません。

なんでNVIDIAか?

Deep Learning系のライブラリのほどんどがワークロードをオフロードするためにNVIDIAが提供しているCUDAとCuDNNを使用しているからです。 AMDが昨年末Deep Learningにも対応するGPUを出していますが、すでに市場がNVIDIAに依存してしまっているため、浸透には相当時間がかかると思われます。

なんでマイニングもするのか?

儲かるかどうかの興味本位です!空きリソースを活用して儲かればラッキー!くらいの感じ。

購入パーツ選定
GPU

価格帯がどれくらいなのか正直調べるまで知りませんでしたが、とりあえずコスパのよい商品はどのあたりかなーと調べてみるとGTX 1060 6GBあたりがミドルクラスの性能で3万円前後の価格帯で、消費電力も少なめということだったのでこれにすることにしました。 予算6万円なのでGPUに割り振れる金額としてもちょうどいい感じです。

CPU

第5世代のBroadwellはコンシューマ向けの製品は少ないし、第6世代のSkylakeまでいくと高い。 なので上記の通り、Ivy Bridge以降、欲を言えば第4世代のHaswellを狙いに行きます。 あとできればCore i5。i3はコア数が少ないし、i7は消費電力が高い。i5がちょうどいい。

ケース/マザーボード

今後の拡張性を考えて、メーカーものではなくて組み立てもので、ATX規格のマザーボード、電源400W以上でトータル3万円以内でさがします。

いざ購入!

といっても探すのはもちろん価格.comでもなく、Amazonでもなく、ヤフオクとメルカリです。ヤフオクは需要のあるもの(今回で言うとGPU)は比較的妥当な価格で落ち着きますが、メルカリは意外と相場より安く買えることがあります。ただ、需要が高いものはすぐに売り切れますので出品直後のものを探し続けます。一方でちょっと古くてジャンク品などあまり動作確認もしていない怪しげなのはヤフオクにたくさんあります。GPU以外は基本的にヤフオクで探そうと思います。かと言って上記の性能は譲りません。

ジャンクPCをヤフオクで発見!

ヤフオクを見てみると結構いろんなPCがあります。ただ結構安いのは第1世代のNehalemか第2世代のSandy BridgeのCPUのPCです。が、たまにIvy BridgeやHaswellも格安であります。 そんな中、私が見つけたのはこんなスペックです!

  • CPU: Core i5-4460
  • メモリ: 4 GB x2
  • HDD: なし
  • マザボ: ASUS H87-Plus
  • 電源: 500W 80Plus Bronze
  • ケース付き
  • Windows 7 Professionalのシリアル番号付き
  • BIOS確認済みのジャンク!

これが12,500円です!Haswellでこれだけ付いてこの値段は安い。 結局のところ、多少値段は上がりましたが、15,500円(送料・税別)で落札できました。

ただ、組み立て時に発覚したのですが、3つほど問題がありました。

  • ケース底面が若干歪んでいて安定感が若干悪くなっています。少し叩いて直しましたが完全には戻りませんでした。
  • マザーボードのEhterポートが死んでいました。デバイスマネージャーにすら反応せず亡き者になっています。仕方ないので、あとで紹介しますがPCI-EのNICを追加購入しました。
  • マザーボードのボタン電池が切れていました。電源を落とすたびにBIOS設定や時刻が初期化されてしまいますので電池を交換してやりました。

幸いなことにして、この3つの問題だけで済みました。結果的にこれはいい買い物ができたのではないでしょうか。

NICもヤフオクで調達

上記の通り、ジャンク品のマザーボードだったのでEtherポート不良が発覚したのでPCI-EのNICを購入します。意外と新品だとそれなりにして、IntelのGbE 2ポートのNICだと4,000円以上します。個人的にNICはIntel製チップかBroadcom製チップじゃないと信頼していないし、むしろ今後さまざまな互換性問題とか出ると嫌なのでIntel製が欲しく、ヤフオクで安いものを探しました。

あまり出品数が多い品物ではなかったですが需要も少ないみたいで2,000円でメーカー付属品としてのIntel製のNICが即決でありましたのでこれで済ませました。

GPUはメルカリで調達

印象的にはヤフオクよりもメルカリのほうが1割程度安い気がします。私は新品のASUS STRIX GTX1060 DC2O6Gを3万円+送料で購入することができました。同品を新品を店で買うと3.5万円程度しますのでかなりお得です。中古でもう少し安いのでも良かったのですが、たまたまタイミング的に出てきたのがこれだったのでこれになりました。

SSDは奮発

他のパーツが思いの外安く調達できたので、SSDは新品を買いました(ちょうど手元のあまり使わない商品券があったからそれを使いたかったというものあるのですが)。品物はSanDisk Ultra II 240GBです。

Let’s 組み立て!

ここで一度まとめると下表のようなパーツを購入しました。結果的に予算の6万円からはみ出てしまいましたが誤差範囲内ということで。

パーツ 仕様 価格(送料・税込
マザーボード ASUS H87-Plus 17336
CPU Intel i5-4460
メモリ 4 GB x2
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
電源ユニット 剛力Naked 500W 80Plus Bronze
PCケース NZXT H230
OS Windows 7 Professional (プロダクトキーのみ)
GPU ASUS STRIX-GTX1060-DC2O6G 31060
SSD SunDisk Ultra II 240 GB 11600
NIC Intel PRO/1000 PT デュアルポート サーバ・アダプタ 2140
マザーボード用電池 CR2032 256
合計 11点 62392

組み立てはほとんど済んでいるのでGPUとNICとSSDをつけるだけの簡単な作業です。出来上がりはこんな感じ。

Windows 7のインストールとWindows 10へのアップグレード
Windowsのインストールディスクの作成

Windows 7 Professionalのプロダクトキーはシールで貼ってありましたが、ディスクは含まれていなかったため、インストールディスクを作成します。

マイクロソフトのページからインストールのディスクイメージをダウンロードできます。 なお、ダウンロード時にプロダクトキーの入力が必須です。

ダウンロードはこちら https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows7

Windows 7からWindows 10へのアップグレード

Windows 10への無償アップグレードはすでに終了してしまっていますが、Windows 7/8.1からWindows 10へは無償でアップグレードする方法があります。

Windows 10 Media Creation Toolというものを使えば無償でアップグレードができます。 下記のページからツールをダウンロードできます。 インストール時、アップグレードとクリーンインストールが選べるのですがアップグレードにした方が良いみたいです。詳しいことは検索してください。

ダウンロードはこちら https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

最後に

そんなこんなでジャンクPCをベースにDeep Learning用のPCを6万円とちょっとで完成できました。 これで家で気ままなDeep Learning生活ができそうです(?)。



今回は以上です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


ブログランキング・にほんブログ村へ  ← 気に入っていただければ応援ポチをお願いします!

コメント

このブログの人気の投稿

LinuxでのnVidia GPUのオーバークロック・電力チューニング方法